中学3年生

2023年7月10日 (月)

数学教師は女子に厳しい!?

 

娘が数学コンクールを楽しんでいた頃、ジョナサンという名前の男の子がいつも娘の上位にランキングされていました。
その後、そのジョナサンはお引越ししていなくなったのですが、新しいジョナサンが現れて、また上位にランキングしていて驚きました。
そして、そのジョナサンがいなくなった時、また更に新しいジョナサンが来て上位に。

いつもジョナサンってすごい!

と、我が家が尊敬する名前が「ジョナサン」となったのでした。

 

時は流れて、今もJonathan Leeや、Jonathan Huangなどとジョナサンがアジア系の名字とついていると、優秀な人かも?と無意識に思ってしまっている気がします。

 

ところで、少し前に、学術誌International Journal of STEM Educationに、面白いお話が出ていました。

教師たちが無意識の偏見を持っているかどうかを確認するための実験です。
アメリカ全土の400人以上の小中学校の数学教師を対象に行った調査ですが、その結果、男女平等が達成されたと考える数学教師ほど「女子生徒の数学能力」に対して偏見がある、ということでした。

 

その調査では、教師に数学の問題の解答セットを評価してもらったそうです。

その解答用紙には、性別や人種が想像できそうな名前が書かれていました。
たとえば、タニーシャ(黒人の女の子に多い)やコナー(白人の男の子に多い)などです。

それを知らずに、教師たちは採点しました。


そして、教師は学生の解答が完全に正確ではなかったとき、解答内容が同じであるのに関わらず、男子学生の解答の方を高く評価してしまうということでした。
選択式の問題ではなく、記述式の問題で部分点ももらえるような、少し曖昧な採点の場合には、女子は不利だということですね。

 

つまり、教師は、自分に偏見はないと思っていても、無意識の偏見があったということなのです。
また、その結果、男性が数学に対してより高い自信を持ち、数学を専攻する傾向があるということに結び付きそうだということでした。

 

こういう偏見は、以前から問題視されていました。
そのため、学区によっては学生をIDで管理して、解答用紙には学生が名前ではなくIDを記述し、教師に人種や性別がわからないようにする学校もあるそうです。

 

娘の学区でも、そのようなID管理の方法がいいのではないかと案が出たこともあったそうです。
でも、例えIDで管理していても、筆跡で教師は誰の解答かわかってしまうということで、その案は流れていました。
(現在、どうなっているかは分かりません)

 

娘が女子ということで「無意識の偏見がある採点」をされてきたかは分かりません。
ただ、答案を返してもらった後、部分点に異論がある場合には、先生に個別に話をしに行って加点してもらっています。
だいたい加点してもらえていたので、やはり点数は曖昧なものなのかもしれませんね。
アメリカでは、何も言わないと損をする、ということかもしれません💦

 

 

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2017年2月 1日 (水)

(終) P.A.高校の能力別クラス-数学編


今回は、「P.A.高校の能力別クラス」の国語編、「(続) P.A.高校の能力別クラス」の理科編に続く、最後の数学編です。

パロアルトの中学では、数学は「Regular」(標準的な内容のクラス)と「Advanced(もっと高度な内容のクラス)」の2レベルでしたが、高校になるとレベルが増え、もっと複雑なルートに分岐します。
とりあえず一年生Algebra 1/1AGeometry A(AdvancedのA)、Geometry H(HonorのH)の3つのクラスに分かれるのが通常のルートです。

中学の「Regular」クラスからは通常「Algebra 1/1A」、中学の「Advanced」クラスからは Geometry A、Geometry Hの2クラスに分かれます。

中学の後期になると、「Advanced」クラスではテストが2種類用意されていて、将来、「Geometry H」つまりHonorクラスに行きたい生徒は難しいテストを受け取ります。

先生にどちらのテストがほしいか聞かれますが、Honorクラスに入れるくらいの能力の子がAdvancedレベルの問題を受け取ることはできますが、逆にAdvancedクラスレベルの子がHonorレベルの問題をもらうことはできません。

そもそも「Advanced」クラスはアジア系が多いので、Advancedクラスの問題をもらうアジア系生徒はたくさんいます。「高校でHonorに入れない!私はアジア系なのに落ちこぼれになってしまった!」などと考える必要はないと思います。
もちろん、Honorクラスの問題をもらう生徒はさらにアジア系が増すことになります。

数学のHonorクラスは先生のチェックが入る分、理科Honorよりも入るのが難しいです。
(その代わり、高校での苦労は少ないかも。理科Honorは宿題がカタログに記入されている時間数よりも多くて大変です。)


中学の後期に決まったクラスによって高校のクラスのレベルが決まり、そのレベルによってweighted GPAの上限が決まってしまうということで、中学の成績が入れる大学のレベルに影響するということになってしまいますね。

ただ、一応、高校に入り、学年が上がるときにレベルを変更できないわけではありません
とはいえ、レベルの変更はなかなか大変だそうです。
また、AdvancedレーンからHonorレーンに移動するのは、RegularレーンからAdvancedなレーンに移動するよりも、ずっと難しくなるそうです。

中学からコツコツ真面目に生活していた方が楽に進めるということですね。
それで、アジア系の家庭は小さいうちから教育熱心で、タイガーマムが出てくるのね~と納得でした。


中学の終わりのころ、娘の親友が先生にHonorレベルのテストをもらいに行ったときには、先生に、

ごめんなさい。Honorのテストは渡したくないわ。
 私、あなたに高校でつらい思いをさせたくないのよ。


と言われて、渡してもらえなかったそうです。
彼女は前期のテストで90%くらいの成績(AdvancedクラスでAを取れるかBに落ちるかというレベル)だったらしいのですが、仕方なくAdvancedレベルのテストを受けると、98%~100%の成績が取れるようになりました。
AdvancedとHonorでは、かなりなレベル差があるようです。

でも、Honor希望だったお友達はショックを受けて、友人たちに言ったそうです。

私、優秀なエンジニアになりたかったのに、もう無理だわ。
 10年後にはマクドナルドで働いているから食べに来てね。
 きっと会いに来てね。


皆で「
まだ将来は決まってないよ。きっとエンジニアになれるよ~!」と励ましたそうです。
まだ13~14歳なのに、子供たちも大変ですね。

 

 

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2016年7月 4日 (月)

年度末 & 中学卒業式♪


あっという間の中学3年間。
忙しい3年間が終わりました。

娘は、宿題、バレエ、バイオリンと忙しく過ごしていましたが、その他に新しく習い始めた選択科目のフランス語にも時間を取られていました。

そして、その甲斐あって年度末には全米フランス語コンクール(Le Grand Concours: The National French Contest)で受賞したのでした。

と言っても、まだフランス語を習って2年なので、同級生と一緒に初級のレベルでの参加でした。
結果は、なんとプラチナ賞!
全米のトップスコアとしての受賞でした。
賞品として、名前の入った盾、フランス語の辞書、プラチナ賞メダルを記念としていただけました。

Frenchcontestplatinum

トップスコアの場合、その生徒を指導した先生も表彰され、盾をもらえます。
「私も表彰されちゃったのよ!」と盾を見せて皆に自慢してる先生を見て、娘はとても嬉しかったそう。

でも、まだ初級のフランス語。
中級になって、語学好きの生徒たちが勉強しだすと受賞も難しくなるのでしょうけれど。

驚いたことに娘の中学では、フランス語クラスの生徒の25%がゴールド賞を受賞したそうです。
ゴールド賞は、全米のトップ5%が受賞できる賞で、金色のメダルが記念品としてもらえます。
さすが、パロアルト学区!

そしてその後、すぐに卒業式となったのでした。
卒業式というと、日本では講堂で重々しく。。。となるところですが、娘の中学は太陽の下、明るい雰囲気で行います。

式の途中、卒業する生徒たち数人が代表で言葉を述べるのですが、娘は中学のネット掲示板で行われた公募に気づかなかったとか。
バレエで予定がいっぱいだった中、成績維持に夢中で余裕がなかった年度末だったものね~
(中学の成績は、将来にとって重要な意味があります。時間があれば、記事を書こうと思っています。)

完全にその他大勢として卒業式に参加し、中学生活を終えたのでした。
一応、一人一人の名前が呼ばれて、壇上に上がる機会はありました。

Middleschoolgraduation

卒業式が終わった後、仲のいい友人たちと抱き合って別れを惜しむ娘たち。

Middleschoolgraduation2

高校が違うとは言っても、今はちょくちょくメッセージしあっているので、あまり寂しくないような。。。
涙のない、明るい卒業式でした。

      

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2016年3月23日 (水)

PA中学。体育授業中の感動物語★

娘が通う、パロアルトにある公立中学での出来事です。

娘と同じ体育のクラスに、左半身が麻痺している男の子Aくんがいます。
左半身が全く動かないわけではなく、少しは動くのですが、麻痺が残っているという感じだそうです。(小児麻痺の後遺症?)

Aくんは元々の運動神経がいいので、
右半身の運動能力と左半身の運動能力を足して二で割って左右に分けたら、普通の生徒よりも体育はできるだろうと推測できる男の子でした。

ある日、中距離走の授業がありました。
クラスのグループを6つに分けて走りましたが、そのグループは能力別。

短距離と長距離の記録からグループが分けられたので、娘はグループ3。
男女一緒にグループ分けするし、身体も小さいし、決して足が速いことはない娘なので、グループ3でOK!という感じです。

その男の子Aくんは、障害があっても運動神経はいいからか、グループ6ではなくグループ5に入ることができました。

そして、全員がスタート!


能力別でも走る距離は同じなので、グループ1から走り終わります。
娘はグループ3なので、走り終わった後、グループ4~6が走り終わるのを眺めていました。

すると、Aくんは一生懸命走りつつも、だんだん左半身が重くなり、走れなくなってきたそうです。
それでも、他の子達と同じように走り終えたいと、ずっと重い左半身を引きずるように動かし、堪えながら走っていました。

どんどん遅れて、グループ6にも抜かされていき、最後に一人で走っている
Aくんの姿を見て、先生が

! もう走らなくていいよ。
 半分走ったから十分だ。


と声をかけたそうです。

Aくんは、普通に走れない自分が悔しくて悔しくて、涙を流し出したそうです。

クラスもシーンとなってしまいました。

先生が、
皆、がんばったから早く終わったな。
 授業終了まで少し時間があるから、次は、えっと。。。


と言ったところで、
Aくんが涙を流しながら、

僕、残りの半分走りたい!」と言ったそうです。

そして、また走り始めたそうです。

それを見ていた別の男の子が、

僕も一緒に走るよ!

と隣に並んで一緒に走り出しました。

クラスの残りの生徒たちは、もうぐったりしていたので、走る二人を眺めていました。


Aくんは、さらに左半身が重くなり、前かがみになりながらも、必死に左足を引きずりながらヨタヨタと走り続けました。
といっても、普通の人が歩く程度の速さでしか走れなくなっていたのですが。
並走の男の子は、速度を合わせながら一緒に走り続けました。

そして、生徒たちが見守る中、やっと二人がゴールしたそうです。

ゴールする瞬間に皆が拍手をし、並走した男の子が
AくんにGood Job!」とハイタッチ!
すると、生徒たちも一斉に
Aくんに走り寄り、ハイタッチしました。
Aくんは、やっと笑顔になりました。
先生も、よくやった!と笑顔でした。

Ground
感動した娘は、その後、グランドを後にして友人たちとロッカールームに向かったそうです。
その時、友人の一人が、

「Aくん、何でまた走ったの?
 一人だけ半分しか走らなくていいって言われてラッキーだったのに。」

娘「え!?(Aくんの気持ち、わからない。。。?)」

アメリカでは、よく、感動物語がこんなオチになったりします。

 

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2016年3月 2日 (水)

ファッションショーでトップモデルに!?


カリフォルニアにある娘の公立中学で、8年生の理科の時間に元素についての学習をしました。
娘に割り当てられたのは「窒素」。

プレゼンテーションのために窒素さんにインタビューをするビデオを作り、無事に終わりましたが、今度は、元素ファッションショーのための支度をしなければなりません。

元素ファッションショーは、生徒全員がそれぞれ割り当てられた元素になって下級生たちに元素Tシャツを披露するものなのです。

娘は「窒素さん」になるので、窒素Tシャツを作りました。

アイロンプリントを買ってきて、後で着られる(本当!?)Tシャツを目指して作ったそうです。


Tシャツの表側。
家にあった赤いベルベットと白いレースで元素記号アップリケを作りました。
Nt1


Tシャツの裏側。
袖にも情報がびっしりです。
(先生からの資料には、情報が多くないといい成績はあげないと明記。
Nt2

裏のデザインを拡大すると。。。
Nt3

さすがに、木や動物のイラストをPCで描く技量は娘にはないので、日本の可愛いイラストサイトからデータをいただいて、窒素の循環の絵に仕上げたそうです。
イラストわんパグさん、ありがとうございました!)


さて、このTシャツを着て、窒素になり、下級生たち相手にファッションショーを開いた8年生たち。
校長先生が娘に駆け寄ってきて、「
あなたのTシャツ、すごくいいわ!」と褒めてくれたそうです。

ファッションショーでは、一人ずつ、下級生たちの前を歩いて行き、Tシャツを見せました。
でも、細かいデザインが見えるはずもなく。。。そのパフォーマンス力が試され(?)ます。

娘は、歩いて前に出た後、ピルエットでくるくると回転して、その後、開脚して腰を下ろすというパフォーマンスをしたそうです。

その後、もう一度、今度は皆で並んでTシャツを見せて投票が行われ、ベストファッションモデル賞ベストTシャツ賞が選ばれました。
(写真は一部のファッションモデルたちです。中央がりり娘。)
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後日の開票の結果、娘は「ベストファッションモデル」に選ばれました。


かなり時間をかけて作ったTシャツも目立ったけれど重複受賞はできないので、ピルエットや開脚パフォーマンスの印象の方が投票結果に強く出たのでしょうね。

こういう目立つパフォーマンスを物おじせずにするというのは、やはり娘はアメリカの子なのだなぁと思うのでした。

   

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2016年2月24日 (水)

窒素(ちっそ)になる♪


カリフォルニアにある娘の公立中学で、8年生の理科の時間に元素について学習しました。

私も、娘の年ごろには日本の学校で元素を習い、元素表を暗記したような記憶があります。

とはいえ、娘の学校では元素表を暗記しろとは言われません。

一人一人に担当の元素が割り当てられました。
そして、その元素についての調査をするというのです。

「アメリカの学校!」という学習の仕方ですね。

娘に割り当てられたのは「窒素」。

窒素になった気持ちで窒素についてプレゼンテーションの資料を作ったり、ファッションショーに参加することになりました。

プレゼンテーションの資料も、内容は個人の自由ということで、あまり手をかけたくない生徒はクッキーやマフィンを並べて模型を作ってお終い!ということもできます。
(しかし、手を抜くと、成績に直結します。。。
 でも、使ったお菓子をクラスに配るので、生徒には人気があります。

PowerPointなどで元素を紹介する資料を作ったり、ポスターを作ったり、新聞を作ったりする生徒が多いようです。

娘は、「窒素さん」にインタビューをするビデオを作製しました。

窒素さんにインタビューをするのも娘。
Adobe Premiere Elementsで合成してビデオを作りました。
Nvideo1

窒素さんは、まず、元素記号、原子番号、原子量、電子殻などについて説明してくれます。
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窒素さんの生い立ちを聞くと、窒素さんを発見してくれた人についても説明してくれます。
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さらにインタビューを進めていくと、自分(窒素さん)についてのいろいろな説明も表現力豊かに。。。
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最後に、舞台裏での様子として、窒素さん仮面を脱いで終了!
Nvideo5

一人二役の演技で、後にはビデオ編集もあり大変でしたが、本人は他の元素のビデオも作りたかった、というほど楽しかったよう。


ただ、家でビデオ撮影すると光源が足りなくてちょっと暗くなってしまうのが難点。
「今後のために撮影用のライトを買おうよ!」とかなりはまってる娘でした。


そして、さらに大変だったのは、ファッションショーの支度でした。

-次回に続きます-



   

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