テクノロジーでは救えなかったもの
以前、パロアルトの線路に設置された監視システムについてブログに書いたのは、2021年のことでした。
2018年、Caltrainは、線路上に人がいることを検知し、警察に通知する150万ドルの電子検知システムを導入しました。
「これで自殺を防げるのではないか」
そんな期待があったのを覚えています。
それから数年が経ちました。
しかし現実は、決して簡単ではありませんでした。
2022年1月以降、線路上で亡くなった方は54名。
その中には、昨年のパロアルト学生3名も含まれています。
システムは人を検知することができても、その情報を受け取って、すぐに人が対応するという部分には限界があったのかもしれません。
そして今、再び動きが出ています。
パロアルト市の線路に24時間体制で監視員を配置する案が検討されました。
警備会社による常駐スタッフを配置し、人の目で見守る体制に戻そうという試みです。
実は先日、実際に線路の近くを通ったとき、すでに監視員の方が立っているのを見かけました。
ちょうどそのとき、遮断機が降り始めるタイミングで、一台の車が線路に入りそうになったのですが、監視員の方がさっと前に出て対応していました。
事故にはなりませんでしたが、その様子を見ていて、人がそこにいる安心感を強く感じました。
テクノロジーが進化した時代に、人の目に戻るという選択。
一見すると「後退」のようにも見えますが、もしかするとそうではないのかもしれません。
シリコンバレーは、世界で最もテクノロジーが進んでいる場所です。
それでも、人の命や心に関わる問題は、テクノロジーだけでは解決できないという現実があります。
センサーが検知することと、誰かがその場で声をかけることは、やはり違うのですね。
便利さや効率を追い求めてきたこの場所で、改めて「人の存在」の意味を考えさせられます。
もし、そこに立っている人が、ただの監視員ではなく、「誰かが見ていてくれる」と感じられる存在になれるのだとしたら。
それは、テクノロジーにはできない役割なのかもしれません。
時代は進んでも、最後に必要とされるのは、やはり「人」なのですね。
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