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2023年5月30日 (火)

バレエの子達の進路

先日、日本のニュース記事で、バレエダンサーを目指して練習を積んできた少年少女たちの進路や悩みについて読みました。

高校卒業後にはバレエ団に所属するか、外国のバレエ学校に留学するか、バレエを続けながら大学進学をするか、バレエを続けながらバレエ関連の会社に就職するか悩むこと。

そして、バレエを選んだ子達のその後の生活と、バレエを続けるためにホステスになったりと金銭的に困窮する状況が書かれていました。

 

さて、アメリカのバレエの女の子たちはというと。。。やはり、進路としてバレエを選ぶのは難しいようです。

どこかのバレエ学校に入学したといっても、その後が大変なのです。
高校在学中、または高校卒業後にバレエ学校に入った女の子達を何人も見てきました。

その後、多くの子は、どこかのコンテンポラリーがメインのカンパニーに入って(クラシックはお金がかかるので少なく、入るのが難しい)、数年は踊り続ける子が多いのですが、金銭的には厳しくなります。

 

他には、高校卒業後、大学に進学してダンス専攻として踊り続ける子たちもいます。

ただ、それも大学卒業後に、簡単には就職先が見つかりません。
やはり、コンテンポラリーのカンパニーかグループに入って(または自分で作って)、しばらく踊り続ける子を多く見ています。

ただ、数年で所属団体が無くなったり、いられなくなったりで、再度、踊れるグループを探すことも多いです。

 

バレエ学校に行っても、大学でのダンス専攻に行っても、その後、踊って生活しようとすると自力で食べていくのは難しくなります。

GoFundMeで支援を募る子もいましたが、「踊り続けたいので寄付をお願いします」と言っても、そうそう募金してくれる人はいませんでした。

そのため、両親からの援助の他、ウェートレスや販売員をする子も多いです。

運が良ければ、どこかのダンススクールで小さい子たちにバレエなどを教えるアルバイトができます。
後は、ヨガスクールのインストラクターとしてアルバイトに入れた子もいました。

 

そして、服を脱ぐモデルなどのアルバイトをした子達も、周りに少なくとも二人いました。

もちろん、周囲には内緒にしているのですが、親友だけに話しても、その親友の懇意にしている男性から漏れることも。(彼も広めるつもりはなく、私の発言を誤解してつい話してしまったという感じでしたが)

そして、この時代なので、モデルをした写真をネットに上げられていることもありました。(本人が同意しているかは不明)

多分、その親御さんたちは娘さんたちが脱いでいることを知らないとは思いますが、親御さんたちの知人達は知っているというのは辛い状況です。。。

 

 

踊りでは生活ができないことを知った後は、違う道を模索する子達もいます。

元々芸術性があるので、デザイン系の仕事を求める子達も。

それ以外は、結婚するという手もあります。
いい男の人を見つけられれば、子供達に踊りを教えるアルバイトをして、好きな時に踊れる生活ができたら楽しいかもしれません。

 

 

その他、高校卒業後にバレエを数年楽しんで早くに見切りをつけ、大学進学(ダンス専攻でない)を果たした先輩方も二人います。

二人とも、優秀なご両親を持ち、アイビーリーグの大学に進学しました。
現在は、それぞれの道で成功しています。

親の立場から見ると、すごく立派な親御さんですね。

ダンサー時代の娘さんを金銭サポートした後、とても高額な大学の費用、年間約800万円(名門校なので低所得者用のファイナンシャルエイドしかなく、高収入家庭の彼らは学費免除なし)を出してあげられるなんて。

アメリカの場合、いつからでも学び直しはできるので、子供を金銭的にサポートして最終的にいい道を選ばせてあげられるなら、若い時に子供が一番したいことをさせてあげられるのが親としても幸せなのでしょう。
それだけの金銭的余裕があればですが😅



ちなみに、娘のバレエ学校の同級生たちは、バレエの道を選ばず、皆、ダンス以外の専攻を選んで進学しました。

進学先は、スタンフォードの他に、カリフォルニア大学(バークレー、UCLA、サンタバーバラ)、カーネギーメロン大学など、そして、イギリスの名門オックスフォード大学にも進学し、あちこちに散らばって行きました。

皆、高校時代に、毎日バレエに2時間(+通学時間)をかけていただけでなく、睡眠時間を削って勉強もしていたということですね💦
アメリカの(この地区の)高校生の生活は、大変です😱


次回(?)は、バレエで成功し、名門バレエ団に入れたダンサーたちのあれこれを書きたいと思います。

 

 

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2023年5月22日 (月)

春のバレエ公演がありました


娘のバレエ団の春の公演がありました。
今年は、バレエ団初の「白鳥の湖」でした。

今年は大学の予算がなかなか降りない年だったらしく、たくさんの団体が予算を削られてしまったそうです。
その中、娘のバレエ団の予算は要求額が全額認められ、無事2回の公演を行うことができました。

予算の内訳としてはシアター代が大きいそうなのですが、それを認めてもらうのに、どれだけコミュニティに貢献しているのか、なぜ公演が必要なのか、どれだけの観客を動員してきたのか等、たくさん記載して大学側に提出するそうです。
入学時にエッセイをたくさん書いた経験が役にたつのですね。


公演が終わった後は、恒例の写真撮影。
観客も自由に写真が撮れます。

最前列の白鳥や黒鳥のダンサーたちはシニア(大学4年生)。
ジュニア(大学3年生)の娘とは一番長い間一緒にいたわけですが、これが最後の公演になる人も多くいます。
寂しいです。
シニアの何人かは、大学院に進むので、もう少しバレエ団に在籍予定だそうです。

Img_2106

最前列の一番左の黒い服に深い緑のベストを着ている男性ダンサーは、Lleyton Ho。
サンフランシスコバレエの団員でもあります。
しばらくギャップイヤーを取って、サンフランシスコバレエに専念していたのですが、現在はクラスも取って、公演にも参加してくれました。
上手なだけでなく、体型も素晴らしいのですよね。さすがプロ。

Img_2105

高校時代のディレクターたちや、友人たちが観にきてくれて、今回も思い出深い公演になりました。

私も、娘の昔のプライベートレッスンの先生にばったりロビーで会い、久々にコロナを気にせずハグして、たくさんお話ししたので、今日は喉が痛いです。
コロナで外出が減った期間を経て、弱ってますね💦


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2023年5月15日 (月)

大学が決まる季節

 

日本で会社員をしていた頃、語学訓練のクラスが定時以降にありました。
通常は10時まで残業していましたが、その日だけは早く帰ることができて、会議室で英語を習っていたのでした。

その帰り道、帰宅に使う電車が同じ先生(アメリカ人)と話していた時のこと。

 

私「(先生が)みんなに卒業した大学名を聞いたのはびっくりしたわ。

 高卒の人に、大卒のエンジニアの中で一緒に仕事して大変じゃないかって聞いたのは、もっとびっくりしたわ。

 厳しい質問だったと思う。

先生「え? だって、○○だって、別の生徒にどこの大学だったか聞いていたじゃない

私「それは、彼女は、彼の勤続年数から考えて院卒ってわかってたからよ

先生「つまり、日本人は学歴にコンプレックスがあったり、大学のランクにもステイタスを感じてコンプレックスを持ったりするんだね。

 もし、コンプレックスがあるなら、今から行きなおせばいい。

 アメリカは、違うなぁ。

 僕は、自分の無名な大学が好きだし、皆、普通に言うよ。

 

う〜ん。何と言えばいいのだろう。。。当時(今もだけど)、もっと深く話をする能力もなく、何も言えませんでした。
そして、先生は特に自分の発言を指摘されても気にすることなく、笑顔で帰宅して行ったのでした。

今思えば、そういう考え方や文化の違う人との接点を(大昔に)与えてくれた会社は有り難かったなぁと思います。

 

今、5月になり、高校生シニア(最高学年の4年生)たちは卒業後の進路が決まったところです。

語学訓練の先生が言っていた通り、確かに、こちらでは親子ともに普通に受かった大学の話をします。

それは、大学の知名度や難易度によって進学先を決めない場合も多いから、ということもあるかもしれません。

大学の合格通知が揃った後、それぞれの大学が提示した条件によって、自分に合った大学を選ぶのですが、その条件がいろいろなのです。

 

よく知られているのが、奨学金やファイナンシャルエイドです。
学費全額免除を提示した大学が少人数教育のリベラルアーツだったりしたら、知名度の高い大学よりも選ぼうと思う人は結構いるのではと思います。


その他にも、入学時に専攻が決まる大学か、その場合は、どの専攻に受かったのか、万一の時には専攻変えが可能か、なども選ぶ基準になります。


また、自分には どのような特典を与えてくれるのか、例えば、州内のある公立大学には いいHonors Programsがあり、Honors Programsに選ばれた学生は一般学生よりも先にクラスが取れ、キャンパス内にあるHonorsの学生たちだけが入れる特別な寮に4年間入れ学部の間にリサーチがもらえ、一対一のアカデミックアドバイス付き、そしてトランスクリプトにはHonors Programsの学生であることが記述される、と心惹かれる特典の数々がついています。(さらにかなりな奨学金がつくのだから、UC BerkeleyやUCLAに合格した学生も、悩むという。。。)


他の州内の公立大学では、寮の契約時に(追加料金を払うと)一人部屋をもらえるシステムがあったり、大学によって、本当に色々な違いがあります。


他にも、課外活動がしやすさ(バレエ学校の友人たちは、ダンス系に強い大学を選ぶ子が多かった)や、日本人からはちょっと珍しい理由:特定の宗教活動のしやすさを考えて(その大学の周辺はその宗教の活動が盛ん)、選ぶということもあります。

 

いろいろな条件を考えて、本人と家族が悩んで決めた大学なので、やはり大学への愛着も出てくるし、家族はこれまでの困難が終わるということで喜びもひとしおなのでしょう。


ハーバードの学生の親にも、普通に、「あなたは知らない大学だろうけれど、息子にとってはドリームスクールなのよ!嬉しくて!」と笑顔で話していたり、スタンフォードの教員をしている知人が「娘が通っているのよ〜」と(自分の大学ではなく)娘さんの通っている あるCSUのTシャツを着ていて、娘さんへの愛情たっぷりの様子を見ると、ほのぼのとします。

 

高校生シニアの皆さん、ご家族の皆さん、お疲れ様でした。
秋からの大学生活が、楽しく過ごせますように✨


Untitled_artwork-3_20230515184601今日は母の日

 

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2023年5月 6日 (土)

試験中のカンニングが不可に!?


一年近く前に「びっくり!大学のテスト風景」という記事を書きました。
娘の大学では、試験中に試験監督がいない、という内容です。

これは、Honor codeという1921年に学生によって書かれた「学問の誠実さ」に関する声明に端を発していて、この102年の間、伝統的に学生と教員の間で合意されてきたものです。
教員は、試験監督を行わないことで、学生を信頼していることを表明している、ということです。


そして、信頼されている学生たちは、試験監督がいない状況で、本当に誠実に試験を受けているのか、というと。。。それは、もちろん、「する人はする」という状況になります。
時々、大学新聞 The Stanford Dailyにも取り上げられています。


少し前に娘が受けたオンラインで受けるテストでは、試験時間がとても短く設定されていたのですが、それはその前の学期で不正が発覚してしまったので、娘が受けた学期では、学生たちに不正行為をする時間を与えないために試験時間を短縮したそうです。

別のクラスでは、あまりにたくさんの不正が疑われるので、教授が、

テストで不正をした者は、2日以内に申し出てください。
 きちんと申し出れば、今回の不正は見逃します。
 そして、今回の試験は無効として、期末テストの成績の配分を大きくするので、君たちの成績には問題はなくなります。
 もし、不正をして申し出なかったら、細かくチェックして、大学から連絡が行くことになります。

と警告を与えたそうです。


教授たちは、近年、不正が増えていくのを感じるそうです。
何か環境が変わっているのか、学生のストレスが大きくなっているのか、理由はわからないようですが。

結果として、現在、102年の歴史に終止符を打ち、教授会が試験監督を認める方向へ進もうとしています。

もちろん、学生側は大反対しています。
(反対しない、むしろ試験監督を入れてほしい、不正者が平均点を上げないでほしいという学生たちもいます)

教授の中でも、「学部生全員の権利を奪うものだ」「学生と教員の間に不信感を植え付ける」などと反対の声があります。

既にニュースになっているので、卒業生が
「学生は大人なのに、そんな子供扱いをするなんて」
と憤慨したり、

世間では

「こんな名誉ある大学で試験監督すらいない試験を実施していたなんて吐き気がする」
「一般の大人の資格試験だって、試験監督がいるのに」
「子供は子供だ」
「教授は、試験監督を入れてあまりに格差が出るといけないので、試験をやさしくするのだろう」

などと色々な意見のコメントが付けられていました。


大学生は、もう分別のある大人として尊重し、学問に誠実であることを信頼していることの証に試験監督は行わない、ということでしたが、上記で実際に不正が発覚した時には、

2日以内に不正をしたと名乗り出た学生たちは、とても勇気があると誉めたい。
 不正したにも関わらず、名乗りでなかった学生たちは、きっと今後、後悔することになるだろう。

と、不正しても、名乗り出た学生たちは誉められてしまったそうです。
(ちょっと小学生っぽい扱い。。。)


さて、最終的に、試験監督問題は どうなるのでしょうか。
新年度からということなので、あと数ヶ月ですね。

Untitled_artwork-2_20230506203901

春らしい大学の風景

 

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